途上国よりも深刻な「日本国内の貧困」ってどんななの!?
ナマステ!
今日はものすごい皮肉な話をします。
なぜなら青年海外協力隊員として、ネパールに支援をしに来ているにも関わらず、途上国よりも日本の方が貧困が深刻かもしれないという話をするからです。
この話をするのは、立場上もあって協力隊が終わってから書こうと思っていました。
でも「食料面での日本国内の貧困」という問題は、ビジネスとして儲かる儲からない以前に、NPOでも私財を投じてでも、やんなきゃいけない事として私は考えています。
そのために、いま日本で何が起こっているかを知ってもらいたいのです。
「こんな飽食の国である日本が、途上国よりも貧困かもしれない」という現実を
日本の貧困率と世界の貧困率の比較
日本の貧困率は2000年台に入ってから、増加をし続けていて、2012年には16.1%という過去最悪な状況になっています。
※貧困の定義:OECDの基準に基づき、一定の基準(貧困線)以下の所得しか得ていない人の割合を示している。2012年は所得122万以下の割合
この数字は日本国民の6人に1人という高い割合であり、非正規雇用を増加したことによる格差社会が数字として表立った形になっている。
そこで任国ネパールや近隣の南アジアと比較してみると、こんな感じ
大地震の影響もあって、今のネパールの貧困率はこれよりも高そうな気がしますが…
貧困率では、モルディブ・ブータン・スリランカよりも日本の方が高い。
もちろん基準となる貧困線は違うものの、モルディブ・ブータン・スリランカの方が格差は少ないということになる。
なお、ネパールは2015年の大地震の影響で、アジア最貧国になってしまった。
アジアで最も貧しい国はどこ?アジア貧困国ランキング2015年版
格差社会が産んだ子どもの貧困
そして格差社会が産んだ悲劇として「17歳以下の子どもの貧困率」が16.3%(2012)と非常に高い事があげられる。
特に母子家庭を中心に、まともに食べることが出来ない子どもが想像以上に沢山いるのだ。
考えて欲しい。
飽食で1人で毎日お茶碗1杯のご飯を捨てている国に、お茶碗1杯のご飯も満足に食べれない子どもがいるという現実を。
そんな実例もある。
澤村さん(仮名)は7~17歳の4人の子どもをもつ母子家庭だ。収入はパートが10万円と児童扶養手当8万円しかない。生活保護を下回るが、保護は受けていない。家賃など固定支出が14万円なので食費は最大4万円しかない。
頼みの綱はNPOが2週間に1度送ってくれるコメ6キロだ。浮いたお金で野菜などが買える。しかし、「お年玉を回収しておコメを買ったこともある」(15歳の次男)。17歳の長男は中学から不登校だ。友だちがファストフードを買っても、自分は買えない。「うらやましくて、自分が情けなくて、惨めでした」と語る。
全文表示 | 飽食ニッポンで「1日1食の子どもたち」貧困率過去最悪!おなかいっぱい食べたい : J-CASTテレビウォッチ
もし、彼らに毎日捨てられているお茶碗1杯分のご飯を届けることが出来たなら…
そう思うと、食品ロスをなんとかしたいという想いがどうしても強くなっています。
私は日本の食品ロスをなんとかしたいんです!
食品ロスという問題は、なんとかしなきゃいけない問題です。
もちろん食べられるものであるのが前提であるが、全然食べられるのに捨てられる食品が日本にはまだまだあります。
そういったものを繋げる仕事(ビジネスとしては難しいですが)がやりたい事の一つだったりします。
日本では食品ロス対策として、食品製造・販売業者と母子家庭を繋いでいるのが「フードバンク」という仕組みです。
日本国内の貧困を救うかもしれない「フードバンク」とは何か?どういった活動をしているのか?
それについては、次回書きます!
何度でも「あきらめよう」
ナマステ!
「諦める」という言葉に皆さんはどんな印象をお持ちでしょうか?
多くの人は、「何かやろうとしていた事を断念する」といったネガティブなイメージをお持ちになっているのではないかと思います。
…が、私は諦めるということは悪いことじゃないと声を大きくして言いたいです!
諦めるのほんとうの意味
実は「諦める」という言葉の意味はネットで探しても中々出てきません。
唯一出てきたのはこのページだけでした。
今、日本語で「諦める」といえば、自分の願いごとが叶わずそれへの思いを断ちきる、という意味で使われるのが一般だ。しかし、「諦観(たい(てい)かん)」、「諦聴(たい(てい)ちょう)」といった熟語の「つまびらかにみる、聞く」にみられるように、「つまびらかにする」「明らかにする」が、本来の意味である。そして、漢語の「諦」は、梵語のsatya(サトヤ)への訳語であって、真理、道理を意味する。
なお、この文中に出てくる「つまびらかにする」とは、漢字で「詳らかにする」と書きます。
つまり、詳細を明らかにすることなのです。
「詳細を明らかにすること」のどこに、「物事を断念する意味」があるのでしょうか。
こういう所に日本語の難しさがあるように思います。
諦めるのではなく、明らめる
そこで「諦める」ではなく、代わりに「明らめる」という言葉があります。
あきら・める【明らめる】
1 事情や理由を明らかにする。はっきりさせる。
2 心を明るく楽しくする。気持ちを晴れやかにする。
こっちは随分とポジティブな感じがしますね。
諦めるのイメージであるネガティブな部分が、ずいぶん薄くなっています。
代わりとして、積極的に使いたい言葉ですね。
前向きな明らめるなら、簡単にできる
日本語に「何かを断念する」という意味の「諦める」は無い。という事がわかって頂けたと思います。
以前の私の日記では、後ろ向きな諦める事をしていたんですが、そんなことしなくても良いのですね。
「あきらめる事は簡単だ」とよく言われるけど
案外「あきらめる事は難しい」事だと思う。
というのも今まで背負って来た物を全て捨てることが「あきらめる事」なんだから。
かくいう自分もあきらめ始めている。
あきらめると何も考えなくなるから、本当にフラットになれる。
フラットになれると真剣になれる気がする。
そんな事を思う。今の心境。Jul.25.2011 mixi日記
前向きな「明らめる」なら、いくらでも出来る気がしませんか?
本来ネガティブな言葉でも、意外とポジティブな日本語って意外とある気がします。
そんな日本語を探すのも面白いのかもしれません。
ワークショップをやっての決意。そして、次回へ…
ナマステ!
以前、震災後わずか1ヶ月で行なったワークショップの裏話を書きました。
今回はその続きを書いていきます。
※引用は当時のmixiの日記から転載です。
やたらにハイテンション
震災後一ヶ月という期間でやったワークショップは、大成功に終わりました。
なぜなら震災後一ヶ月の時点で、農業の今後について語るワークショップなど皆無で、東京の人もすごい関心を持ってくれたからです。
東京に住む私の友達とか沢山来てくれましたし、当日はすごく忙しかったんですが、すごく楽しかったのを覚えています…
いろんなアイデアが次々と出てきて、やたらハイテンションになっていたのが、当時の日記からもよくわかります。
さてさて、今後の「だべっ会」の展望ですが、
・定期的な開催(毎月か2ヶ月に一回はやりたい)
・場所も変える(東京・福島・仙台などなど)
・主催者も変える(郡山だったり東京だったり、はたまた学生だったり)
・名前も変える(良い名称募集中♪)
色々と出来る事は多そうですが、一度やっているので料理さえ何とかなれば出来そうな気がします。
今回のだべっ会の後、色々とお声がけを頂き、色んな事を頂く様になりました。
・NPOバンク構想(ファンドを作り、原発の安全宣言後に野菜を送る証券を売り、その資金を農家へ融資し、再興後に農家から消費者へ野菜を送る)
・福島県産版ぱれっと(らでぃっしゅぼーや看板商品の旬の野菜詰め合わせのこと。これの福島版を作って販売!)
・福島の農村交流イベント
などなど色々と出来そうな事が増えて、忙しくなりそうです。
自分を復活させてくれた福島・郡山のために出来る事をやる!
そう思います。19.Apr.2011
今思うと、震災後1ヶ月の時点で出ていたアイデアは、福島県内ですべて実現しています。
もし、この時に会社を辞めて農業復興にコミットしていれば、少なくても食いっぱぐれる事はなかったし、私自身が「復興のキーパーソン」みたいな形で取り上げられる事もあったかもしれません。
結果的には、この時に会社員をやめる決断はしませんでした。
当時はフリーランスとかで食っていく自信が全く無くて、まだ会社員を辞める事が怖かったのかもしれません。
2回目のだべっ会(ワークショップ)に向けて…
4月にワークショップ行い、なるべく早めに2回目のワークショップをやりたかったのですが、本業が忙しくなってきて準備を進められませんでした。
そんな中で言われた一言が、意外と重かった。
だべっ会をやってから、丁度1ヶ月。
そろそろ二回目を考えていきたいところ。
しかし、プログラムやゲストを含め完全に白紙状態。
この1週間くらいで言われた事は
「意外と2回目に踏み出すのが、最初よりかは躊躇する」ということ。
ベース(最初)を一度やってしまうと、それを上回ろうとして悩みすぎてしまう。20.May.2011
まさしく、最初を上回ろうとして悩みすぎていました…
そして本業が落ち着いてきた7月に、2回目のワークショップをやろうと決め、ゲストやプログラムを決めていきます。
そして震災後から、農業復興に向けて突っ走ってきた私自身がどんどん壊れていきます…
先週から本気でモチベが上がらない。
このままだと俺自身が壊れてしまいそうだ。
本当にきつい。
この状況を何とか出来ないものか。18.Jul.2011
思えば2回目のワークショップは、1回目に比べて人に頼らなかったのを覚えています。
今でもあるのですが「全部自分で決めて、全部自分で全部やる」という悪い癖が出てしまいました。
人に頼ろうにも頼れない。
それは他人を完全に信じられていないから、自分の意のままに動いてくれないと困るという自己中な考えが、自分の中にあるからなのでしょう。
そんな中で迎えた2回目のワークショップで事件が起こるのです…
日本でも見直して欲しい!種を取るという文化。
なますて!
今日は、野菜の種のお話をしたいと思います。
突然ですが、皆さんは「在来作物」ってご存知ですか?
在来作物とは?
在来作物(ざいらいさくもつ)とは「ある地域で、世代を越えて、栽培者によって種苗の保存が続けられ、特定の用途に供されてきた作物」です。親から子へ、子から孫へ、代々にわたり採種(タネをとること)の方法、さらにはイモの保存方法といった種苗の保存のノウハウ、焼き畑のような昔ながらの農法とともに、地域や農家に受け継がれてきた作物です。
在来作物とは固定種の一種で、品種改良が行われていない種から作られた作物の事で、主に地域を限定して作られているものが多いです。
「固定種とは何か?」という方は下のページを見てください。分かりやすくまとめてあります。
山形県は全国で屈指の在来作物王国
一般の種屋さんやホームセンターなどでは手に入らず代々種取りをしてるのが、在来作物や固定種でありますが、私の地元である山形県は、日本で屈指の在来作物(野菜)王国でもあります。
そんな山形県の在来作物をまとめたドキュメンタリー映画まであるんですよ!
この映画は山形県庄内地方の在来作物をテーマに、種を守り抜く生産者と、独自の調理法で在来作物に脚光をあてた「アル・ケッチャーノ 奥田シェフ」にフォーカスをあてた作品です。
山形の庄内地方は北前船の寄港地だったこともあり、古くからの伝統があります。
その上で、伝統を守ろうという人々が本当に多いという事が、ここからもよくわかります。
日本で焼き畑農業!?
焼き畑農業というと、それこそアフリカとか東南アジアなど協力隊が行くような国々で行われているイメージがあります。
ところが山形県庄内地方の一部地域では、急斜面にある間伐した林に火をつけ、カブの種を蒔く習慣が残っています。
一度火をつけることで、下草が良質な肥料になり施肥する必要がないのだそうです。
アグロフォレストリーという、途上国でバナナやヤシの木の下で野菜や作物を栽培するという農業技術があるのですが、このやり方はまさしくそれです。
一部引用
ネパールでの種取りって!?
現在、協力隊で活動しているネパールでも種取りは普通に行われています。
上の写真は野菜を売っている店で、腐りなどで売り物にならないトマトを種取り用として、農家にあげている場面です。
他にも私が見ただけでも、トマト・油菜・大豆・ジャガイモなどなど種取りをしているのを確認しています。
このトマトはF1の品種で、ここから種を取って蒔くとF2となり、親の形質を引き継がない可能性が高いのですが、そんなことはネパール人にはお構いないのかもしれません。
大量生産もいいけど…
日本の場合、同じ形質の種を同じ圃場に蒔くことで、安定的な生産を可能にしています。
毎日同じ野菜がスーパーに並ぶために、こうした生産方法も必要なのです。
でも大量生産でなくても、病害虫に弱くても、美味しいからという理由で作り続ける在来作物はそんな大量生産という時代に何かを訴えているように思います。
「甘いトマトもいいけど、昔ながらの酸っぱいトマトもいいよね」というご年配の方の声もたまに聞きます。
そうしたニッチなニーズに応えつづける在来作物は、これからも火を絶やさずに残していってほしいと思います。
これがないと始まらない!農業系協力隊員の七つ道具
ナマステ!
農業系の協力隊員として日々活動をしているのですが、フィールドに行く時に欠かせないものが色々とあります。
今日は私が持ち歩く七つ道具を紹介したいと思います。
フィールドに行くときの格好
フィールドに行くときの格好は欠かせないポイントです。
私がフィールドに行くときは、なるべく写真のような格好で行くようにしています。
年間にすると150日近くは着ているでしょうか(誤解のないように言いますが、きちんと洗濯していますよ!)
なぜ同じ農作業着で行くのか?それは2つの理由があるからです。
①農家から顔を覚えてもらいやすい!
みなさんは人と最初に会った時に、着ている服で相手を覚えたりすることがありませんか?
それと同じで、なるべく同じ格好で人に会い続けると、私への認識が早いのではないかと思って同じ服をなるべく着ています。
そのお蔭か、私の名前は本当に農家さん覚えてくれています。
逆に私が農家の名前を覚えられないのが、痛いところですね…
②農家への敬意を表すため
ネパールの農家(特に女性)は本当によく働きます。
家畜へ与える雑草集め、水くみ、簡単な農作業全般(植え付け・肥料運び)などなど…
いくら協力隊で人に教えるという立場で来ていたとしても、一生懸命働いている農家への敬意は忘れちゃいけません。
私の作業服は一応襟付きなので、白Yシャツほどではないものの、多少は敬意は表していると思っています。
私の七つ道具について
もちろん、フィールドに行く時に持っていく道具も色々とあります。
・手袋
2種類あります。普通の手袋は農作業する時に、もう一つのゴム手袋は農薬に関する作業をする時に使います
・メジャー
主に植え付けする時の株間を測ったりしています。
・カッター、剪定バサミ
ナスやトマトの剪定をする時があるので、その時に使います。
・農薬
農家に対して「害虫の抵抗性について」の見本として見せたり、トレーニングの時に使ったりします。
ちなみに写真の下にある3種類の農薬は、名前も成分も違いますが、同じグループの殺虫剤です。
・クリシーダイアリー
私の配属先で作っている農業に関する本
種苗、肥料、防除などネパールの農業に関して一通り掲載されている。
農家に技術的な事を聞かれ、わからない時に、農家に渡して読んでもらうこともある。
・デジカメ
フィールドに行く時に他のものは忘れられても、コレだけは忘れられないです。
活動写真、病害虫の写真などなど JICAボランティアの活動には写真がとにかく必要なので常に持ち歩いています。
デジカメを家に忘れた日には、一日のテンションがダダ下がりです。
必要があれば持っていく物
・PH計とEC計
土壌中の養分や生育の向き不向きを測定するのは非常に大事なことです。
PHは土壌の酸性・アルカリ性を、ECは土壌中にある肥料(塩類)の濃度を測ります。
どっちも簡易的に測ることが出来るので、農家に頼まれたときには重宝しています。
・温度計
ハウス内の温度や肥料を作る時の温度を測るのに使います。
意外と途上国でも道具は手に入る。
一年前に協力隊としてネパールに来た時に、農業関係の道具を何持っていけばいいのかよく分からず、色々と考えて用意しました。
上で取り上げた中で、手袋とハサミ、PH・EC計、温度計は日本から持ってきたのですが、PH・EC計以外のものはネパールでも手に入ることが分かり、ショックでした。
(PH・ECも薬品を使えばネパールでも調べられます。)
派遣される国にもよりますが、活動に必要な道具などは意外と手に入ることがあります。物についてあれこれ悩むのはそれほど必要ないでしょう。
JICAボランティアと言うものは意外と、身一つで行って何とかなるのかもしれません。
これがないと始まらない!農業系協力隊員の七つ道具
ナマステ!
農業系の協力隊員として日々活動をしているのですが、フィールドに行く時に欠かせないものが色々とあります。
今日は私が持ち歩く七つ道具を紹介したいと思います。
フィールドに行くときの格好
フィールドに行くときの格好は欠かせないポイントです。
私がフィールドに行くときは、なるべく写真のような格好で行くようにしています。
年間にすると150日近くは着ているでしょうか(誤解のないように言いますが、きちんと洗濯していますよ!)
なぜ同じ農作業着で行くのか?それは2つの理由があるからです。
①農家から顔を覚えてもらいやすい!
みなさんは人と最初に会った時に、着ている服で相手を覚えたりすることがありませんか?
それと同じで、なるべく同じ格好で人に会い続けると、私への認識が早いのではないかと思って同じ服をなるべく着ています。
そのお蔭か、私の名前は本当に農家さん覚えてくれています。
逆に私が農家の名前を覚えられないのが、痛いところですね…
②農家への敬意を表すため
ネパールの農家(特に女性)は本当によく働きます。
家畜へ与える雑草集め、水くみ、簡単な農作業全般(植え付け・肥料運び)などなど…
いくら協力隊で人に教えるという立場で来ていたとしても、一生懸命働いている農家への敬意は忘れちゃいけません。
私の作業服は一応襟付きなので、白Yシャツほどではないものの、多少は敬意は表していると思っています。
私の七つ道具について
もちろん、フィールドに行く時に持っていく道具も色々とあります。
・手袋
2種類あります。普通の手袋は農作業する時に、もう一つのゴム手袋は農薬に関する作業をする時に使います
・メジャー
主に植え付けする時の株間を測ったりしています。
・カッター、剪定バサミ
ナスやトマトの剪定をする時があるので、その時に使います。
・農薬
農家に対して「害虫の抵抗性について」の見本として見せたり、トレーニングの時に使ったりします。
ちなみに写真の下にある3種類の農薬は、名前も成分も違いますが、同じグループの殺虫剤です。
・クリシーダイアリー
私の配属先で作っている農業に関する本
種苗、肥料、防除などネパールの農業に関して一通り掲載されている。
農家に技術的な事を聞かれ、わからない時に、農家に渡して読んでもらうこともある。
・デジカメ
フィールドに行く時に他のものは忘れられても、コレだけは忘れられないです。
活動写真、病害虫の写真などなど JICAボランティアの活動には写真がとにかく必要なので常に持ち歩いています。
デジカメを家に忘れた日には、一日のテンションがダダ下がりです。
必要があれば持っていく物
・PH計とEC計
土壌中の養分や生育の向き不向きを測定するのは非常に大事なことです。
PHは土壌の酸性・アルカリ性を、ECは土壌中にある肥料(塩類)の濃度を測ります。
どっちも簡易的に測ることが出来るので、農家に頼まれたときには重宝しています。
・温度計
ハウス内の温度や肥料を作る時の温度を測るのに使います。
意外と途上国でも道具は手に入る。
一年前に協力隊としてネパールに来た時に、農業関係の道具を何持っていけばいいのかよく分からず、色々と考えて用意しました。
上で取り上げた中で、手袋とハサミ、PH・EC計、温度計は日本から持ってきたのですが、PH・EC計以外のものはネパールでも手に入ることが分かり、ショックでした。
(PH・ECも薬品を使えばネパールでも調べられます。)
派遣される国にもよりますが、活動に必要な道具などは意外と手に入ることがあります。物についてあれこれ悩むのはそれほど必要ないでしょう。
JICAボランティアと言うものは意外と、身一つで行って何とかなるのかもしれません。
競争力強化して、利益残らなかったら意味なくない!?
ナマステ!
最近になって、日本の農業競争力を高める目的で「農業競争力強化法」が成立しました。
この法律の成立前後に、「種苗法」廃止のニュースが駆け巡ったので、あまり話題にならなかっただと思います。
この記事とか「別名モンサント法」といって、もう外資が入り込む前提で書いちゃっていますね。恐ろしや。
種苗法廃止も大きなニュースですが、この法律も今後の農業を左右する大きいニュースなので、成立後にどういうことが起こるのか、元農業資材販売をしていた私なりに考えを述べたいと思います。
※種苗法廃止とは・・・これまで国、地方自治体で保有している米・麦・大豆等の品種を、民間に譲渡することにより競争力を強化=価格の低下をさせようという狙いで廃止させた。
主な理由としては、「民間の開発意欲を削いでいる」との指摘があったとのことだが、外資の流入や、公的な交付金が払われなくなり、種子の維持が難しくなるのでは無いかとの意見も多い。
農業競争力強化法のなかみ
この法案を一言でいうと「JA全農を骨抜きにする法案」だと思います。
農業競争力強化法が成立 流通合理化、資材値下げ|佐賀新聞LiVE
要は価格について、何も考えずに農業資材(種、農薬、肥料等)を購入していた農家や、農薬・肥料の全国流通の過半数近くを握っている筆頭販売業者のJA全農に対して、資材のコストを下げなさいという法案なのです。
ただ、全農以外の業者もかなり影響を受けそうです。
今後の影響① 本当に競争が激化、中小の農業資材業者は残っていけない!
上記の、農業競争力強化法のポイント中に記載している
農薬や肥料の銘柄集中の推進
これが大きなポイントになりそうです。
今まで農協とか販売店は、販売力やメーカーとの付き合いなどを鑑みて、ある程度の銘柄を絞り込んでラインナップを決めている場合が多いです。
それを更に絞れというのは、ちょっと酷な話ですし、絞ったら絞ったでさらなる競争を招き、利益が上がらない原因を作ります。
全農は資金力も販売力もありますが、そうではない卸売業者や小売業者は確実に倒産します。
農水省は、JA全農にメスを入れたいのか、卸売や小売を潰したいのか
これでは意図が全く見えません。
なお、農水省では農薬費低減の取り組みの例を出していますが、これも資金に余裕がある農協だからこそ出来るわけであって、業者に同じ事は中々難しいです。
農水省が農家を農協に惹きつけようとしているようにしか、私には思えません。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/jjkaigou/dai33/siryou2.pdf
今後の影響② いい農業資材が手に入らないかも?
農業資材業界もまた、大企業と中小企業の差が大きい業界です。
あまり下請けをしている例こそ聞きませんが、どの企業も自分のブランドを持って、ニッチな所で勝負を仕掛けている会社がたくさんあります。
例えば、井上石灰という石灰の販売をしている会社があるのですが、販売しているのは石灰のみという一点集中型の企業です。
ですが、石灰という自然農薬分野では唯一の企業であるし、パイオニアだからこそJICAのプロジェクトに採択されるなど、ニッチな分野では非常に強い会社です。
もし農薬業界再編なんてことになれば、井上石灰の様にプライドをもって一点集中で作られている商品が身売りなどで、どんどん消えていくことになるでしょう。
まとめ 耐久レースか、はたまた利益を求めて談合か…
国はJA全農だけではない、商系業者との競争力を高めるために、価格を下げる圧力をかけはじめてきました。
この競争の先にあるのは、利益を削る潰し合いか、談合の道なのでしょうか。
この法律を見る限り、農家にとってメリットだらけとはいえなさそうです。
一見、資材代が安くなるというメリットを享受できますが、その反面メーカーの廃業による必要な資材の製造中止などで、思わぬデメリットも受けるかもしれません。
農業資材で一番価格の引き下げが困難なのは「ダンボール」です。
これまでも繰り返し談合を行い、その度に独禁法違反になっています。
利益がでないと談合をするなんてことが、農業資材業界全体で出ないか心配です。
農水省はもう少し農業資材流通を知った上で、法律を作ってもらいたかったです。
「業者は農水省が考えている程、利益とってないよ~」
と言って、終わりにしたいと思います。では