誰かネパールに持ってきて欲しい。優秀すぎる日本の農業資材
ナマステ!
以前、私が常にフィールドに行く時に持ち歩く道具を紹介しました。
私がふだんの活動で使う道具は、ネパールでも手に入る道具が多いです。
しかし、これがネパールの農家の立場となると、話が変わってきます。
彼らはモノがあまり手に入らない中でも、すごい工夫して作物がきちんと生育できるように仕事をしていますが…
モノがないゆえに、日本なら5分で終わる作業が1時間とか平気でかかったりすることもあります。
「もし、日本の農業資材があればスグ終わるのに…」
そう思わずにはいられない農業資材を何点かお話したいと思います!
ダンポール
はじめに言っておきますが、ダンボールではありません。ダンポールです。
※紛らわしくてごめんなさい。
ダンポールとは、トンネル栽培をする時に使う支柱のことです。
通常は、針金のように細長い棒ですが、上の写真の様に曲げる事も可能で、トンネルの支柱差しが簡単に出来ます。
ネパールでは竹を切ってから曲げ、トンネル支柱の様にすることで、育苗をしていますが、竹を切るという行為が本当に大変です。
なお、トンネル用で使う竹は新しい竹でなければならず(古い竹は曲げることが出来ずに、すぐ折れてしまうから)一度使ったらトンネル用としては使えないため、割と非効率だなと思っています。
ちなみにネパールでは宗教上の理由で、週に何日か竹を切っていけない日があるそうです。そんな日にトンネルを作りに行こうとして、一日を無駄にしたこともあります…
このトンネルだって、竹を切る所から始めたら合計で1時間近くかかっています。
日本の農業資材でこの長さなら、10分もあれば出来るでしょう。そういう効率を高めることが、農家の少ない日本の農業には必要なのです。
ビニペット&スプリング
「ビニペット」とは、農業用ビニールを抑えるために使う部品の事です。
写真中央のレールにビニールを合わせて、「スプリング」と呼ばれるバネを溝にはめていき、ビニールを止めます。
実はこの「ビニペット」と同じようなものはネパールにもあります。
たぶん中国製です。
ただネパールのビニールハウスは竹で作る事が一般的です。
正確に言うとビニールハウスではなく、雨除けです
そのために、日本のよう同じ様なパイプハウスを作る技術があまりなく、ネパールで鉄骨やパイプでビニールハウスを作ろうと思えば、完全オーダーメイドです。
上の写真は、日本で15年農業をしていた方で、ネパールでパイプハウスを作っているところです。
ビニールを抑えようとしているのですが、ビニペットが無いためにドライバーで止めています。
25mの長さをビニペットで止めるならスグできるのですが、ドライバーなので軽く数時間はかかっていました。
彼は日本にいたこともあり、もちろんビニペットを知っており使いたがっていましたが、ネパールでは高価なためやむなくドライバーで止めることにしたそうです。
日本でのパイプハウスを知りたい方はこちらから! わりと素人向けです。
日本のパイプハウスの技術はすごい。
写真は2年前の農業研修中だった時の筆者。ビニールハウスのジョイントを取り付け中
日本でビニールハウスを作ろうとした時
「ハウスの長さ、幅、高さ」
「地域性(降雪の有無など)」
がわかれば、ほぼ規格品で対応が可能です。
そういった規格品がないネパールでパイプハウスをつくるのは、かなり大変なことです。
やはり効率化を追求しようとすると、日本の農業資材にはかないません。
逆に言うと、農家がいなさすぎて効率化を重視しないと、日本の農業は大変なのかもしれません。