びすたーらい、びすたーらい

”びすたーらい”とはネパール語で”ゆっくり”という言葉。そんな”ゆっくり”した国 ネパールの青年海外協力隊隊員の奮闘記

ネパールでは、竹を切るスキルが必須だと思った話

ナマステ!

 

前回、ネパールで活動しているからこそ分かる優秀すぎる日本の農業資材を取り上げました。

namura.hatenablog.com

 

ネパールではプラスチックハウスや育苗のトンネルなど、多くの農業資材に竹を使ってることが、分かってもらえたかと思います。

 

今日はネパールの農業に欠かすことの出来ない「竹」について書いていきます。

 

 

竹の育苗!?

 

数ヶ月前にとあるフィールドを見に行った時に、紹介されたナーサリー(育苗しているところ)に私は驚きました。

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上の写真はなんと、竹の苗木を育苗しているそうです。

 

 

家・ビニールハウス・トンネルなど、ネパールでの竹の用途は様々です。

そのため、竹のナーサリーや竹を販売する店なども各地にあります

 

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ちなみにネパールでは1本10m位で250-300円近くします。

 

1ヶ月1万以下で生活している人が、ネパール国民の内かなりの割合を占めることを考えると、そう簡単に買えるものではありません。

 

 

でも、日本では厄介者扱いの竹

 恐らく日本の農家に、「ネパールは竹のナーサリーと、竹を売っている店がある」と言うとたぶんビックリされると思います。

 

なぜなら、日本で「竹は駆逐する対象」というイメージだからです。

 

筍のうちですと、まだ根っこから取ることができるのですが、竹だと伐採するしかなく雑草として見ると、とんでもない厄介者です。

 

前職の仕事をしていたときに、夏場によく相談があったのは「竹を農薬で枯らしたい」というものです。

 

 

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前職だった時に、上の農薬を薦めていましたが、「非常に高い」という注意点をつけてお客様に言っているほどでした。

一度、筍から竹になってしまうと枯らすのは容易ではなく、農薬も濃いめで使わないといけずにお金が相当かかってしまいます。

 

だから、ネパールにいる今

日本で竹を枯らすと聞くと「実にもったいないな」と思います。

 

世界には、育苗してまで必要としている作物を、邪魔だと言って簡単に切ったり枯らしたりする国もある。

 

なんか、凄い不思議な感覚です。

 

 

 

 

 ネパールに農業で来るなら、竹を切るスキルを身につけてほしい!(協力隊とか関係なく)

 

この様に、生活に竹がこれほど密着しているネパール

 

私もネパール人ほど上手くはありませんが、農作業中に竹を切ることも多々あります。

 

ネパール人は1本の鎌で器用に切ります。

 

私がここまで竹を切ることに対して抵抗がないのも、協力隊派遣前に受けた農業研修のおかげだと思います。

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 その時の写真(私が写ってる写真が無かったので、同期が写ってる写真を使わせてもらってます。ごめんねー)

 

 

 

竹ひとつ取っても日本とネパールでは大きく認識に差があります。

意外と、日本では邪魔だと言って捨てていたり、切り捨てられていたりするものが、途上国では喉から手が出るほど欲しいというケースも沢山あります。

 

日本で余っている竹をネパールに送るというのは、送料の問題でコストが見合わなくなるので、現実的には難しいですが、そういったものを、日本国内で拾いだすこともこれから必要になっていくのかもしれません。