元プロが教える!除草剤の使い方(お庭の雑草編)
ナマステ!
前回、除草剤について「どんな種類があるのか」や「効果的な使い方」を書きました。
今回は、お庭や非農耕地などの除草のやり方を書きたいと思います。
※今回ご紹介するやり方は「非農耕地(作物が植えてない場所)」でのみ使えるやり方です!
畑・田など作物が植えてある場所の除草は次回取り上げます。
お庭の除草剤の種類
<粒剤タイプ>
極小の石に除草剤の成分を吹き付けてあるタイプで、土壌中の水分によって成分が溶けだし、雑草が吸収することで枯らすことが出来る。
<メリット>
・希釈(薄める)の手間がなく、散布のみで簡便
・長期に渡って効果がある。(長いもので半年)
<デメリット>
・20cm以上の草丈の雑草を枯らすのは難しい。
・非農耕地でのみ使用が可能(長期で効果があるため、作物を植えられない)
・枯れるまでに1ヶ月程度の時間を要する。
いずれにしても草丈が20cmを超えると、枯らすのが難しくなってくるので、なるべくなら春先など雑草が生い茂っていない時期に散布するのがオススメです。
基本は、雑草が生える前に抑える事を前提に使ってください。
また、粒に吹き付けてある除草剤の成分が、水分によって溶け出さないと効果を発揮しないため 、土が乾燥した場所では効果がありませんのでご注意ください。
<希釈散布タイプ>
原液を水に溶いて、噴霧器で散布するタイプで除草剤の中で最もポピュラーかつ、除草剤の中で一番売れている分野のタイプ
<メリット>
・粒剤やシャワータイプよりも安価
・大きい草丈の雑草も枯らすことが出来る。
・濃度の調整が効く。
<デメリット>
・散布後に雨が降ると除草剤が流されてしまう。
・除草剤によって、効果の効き方が全然違う。
・きちんと雑草にかけないと、枯れない
希釈タイプに関しては、少し個別に書きます。
ラウンドアップ系
ラウンドアップという名称で有名なタイプの除草剤です。一番強力な除草剤とされ、散布をした部分から茎や根まで浸透し根を枯らすことを主にした除草剤です。
ただ農耕地に関しては、かかると作物も枯れるため、使いどころが難しい除草剤でもあります。
特徴を下記に書きます。
・一番強力で散布した雑草・作物全てを枯らすことが可能です。
・葉や茎から浸透して、根を枯らすことを目的としています。
・散布後効果が現れるまでに、一番時間がかかります(4日~1週間程度)
・耐雨性に一番優れます(散布後1時間経過で雨が降っても大丈夫)
バスタ系
バスタという名称で知られるタイプで、畑の中でも使用可能な除草剤であります。
散布後、葉や茎は枯れますが根は残るタイプの除草剤です。
ラウンドアップとの最大の違いは、畑の中で除草が可能か?というところだと思います。
特徴を下記に書きます。
・散布後、根は残るため水田の畦など根を残したい場所にオススメ
・散布後効果が現れるのが早い(2~4日後)
・畝間や株間など、畑の中で除草を行うことが可能
非農耕地用
最近、ホームセンターなどで格安で販売しており、使う方が多くなっている除草剤
(ラウンドアップやバスタが2000円/500ccに対して、非農耕地用は300円/500ml)
中身は30年ほど前に販売されていたラウンドアップだそうで、性能は大きく落ちます。
庭先などで使う分にはいいかもしれませんが、注意点がいくつかあります。
・耐雨性が低い(散布後6~9時間以内に雨が降ると、流れてしまう)
・濃い目に散布しないと雑草が枯れない。
・万が一、畑に散布してしまった際のリスク
・農薬登録を取っていない(何か問題があった時に対処のしようがない)
こうしたこともあり、仕事をしていた時に私はオススメしていませんでした。
やっぱり買うなら、きちんと登録の取れたものを使ったほうが、安くつくと思います。
<シャワータイプ>
シャワータイプは、前述した希釈散布タイプの希釈済で販売している商品で、「そのままかける」などのセールスコピーで販売されています。
<メリット>
・噴霧器いらず「キャップを取ってかけるだけ」
・希釈の濃度計算が不要
<デメリット>
・ほとんどが水のため輸送経費の関係で、どうしても高くつく
お庭程度の雑草対策をしたいのであればオススメですが、広くなればなるほど高額になってしまいます。
ですので、ある程度の大きさのお庭をお持ちの方は 希釈タイプを買っていただくことをオススメします。
例えば、1回の散布でシャワータイプの除草剤を2本以上使うようであれば、希釈タイプを使った頂いたほうが安上がりになります。
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散布するタイミングはいつ!?
具体的には下記のようになります。
夏場は希釈タイプやシャワータイプを使い、それ以外の時期は粒剤タイプで抑えるというのが王道でしょう。
数年前から、水田のあぜや果樹園の下草・法面(のりめん)を中心に「秋に除草剤を散布して翌春まで雑草を抑える「秋処理」を少しずつ行う方が増え始めています。
農繁期である春の作業負担の軽減にも繋がるので、最近好評を頂いているようです。
除草剤を安くする方法!
最後に元プロだから分かる「除草剤を安くする方法」を2点教えたいと思います。
①粒剤ではなく、希釈散布タイプを使う。
粒剤は散布の手間がかからず簡便ですが、生えている雑草を枯らそうとすると、金額がかかります。
なぜかというと粒剤は¥2000-3000/3kg程度で販売されているにも関わらず、10kg程度必要と高価になるからです。
その反面、希釈タイプは濃度調節が自分でできるため、コストも自分でコントロールが可能です。
そういった意味では希釈タイプをオススメします。
前述した「除草剤の秋処理」は希釈タイプでも可能ですので、秋の収穫後等に散布すれば除草剤のコストをグッと下げることが可能です。
②噴霧器が無い方にオススメ!ジョウロで除草剤散布!?
希釈タイプを使おうにも「噴霧器が高くて…」という方にオススメなのが、蓮の実を使う方法
蓮の実とはジョウロの水の出て来る所の名前です。
通常の蓮の実と違う、除草剤用の蓮の実を使うことが出来れば、噴霧器が無くても除草剤を散布することが出来ます。
必ず、除草剤を散布するジョウロは除草剤専用にしてください。
水やりのジョウロと、除草剤のジョウロを分けることで、花や作物を枯らすという心配がなくなります。
いかがでしたでしょうか!?
お庭の除草は、プロ農家だけではなく一戸建てやお庭のある全ての方に取って、頭を悩ませる問題です。
これから始まる除草作業ですが、こちらを読んで効果的で安価な除草を行っていってくださいね!