食べること全部(つづき)
最近、ネパール人の名前と顔が一致していないगाैरव(ゴーラブ)です。
登録している電話番号からかかってきて、誰だか思い出せないことがしばしば
前回書いてから1ヶ月近く経ってしまいました…
最近は意識的にフィールドに出るようになり、忙しくなってきました。
と言っても何かを教えるというよりも現状を見て回るだけですがね(^_^;)
前回こんな記事を書かせてもらいました。
今回はその続きでございます。
ざっくりというと食べ物は色んな人が介在している(農家、小売、消費者...etc)ので、いろんな問題が起きているということです。
じゃあどんな問題があるんだよ(# ゚Д゚)
食料とか農業とかに携わってきて10年近く経つので、いろんなエピソードがあるのですが、1つ紹介します。
突然ですが、みなさんは米粉が好きですか?
食料自給率がここ数年39%で低迷 そして、米の消費量も伸びず…
そんな状況下で米の消費拡大と食料自給率の向上を狙って、日本の農水省が打ち出したのが米粉でした。
しかし近年、麦の国際相場が「中国やインド等での食糧需要の増大」「世界的なバイオ燃料の原料としての穀物等の需要増大」「地球規模の気候変動の影響」、といった構造的な要因に加え、輸出国における輸出規制に伴い大幅に上昇しており、小麦粉代替品としての日本国産の米粉が脚光を浴びることとなった。小麦価格高騰を受け、農林水産省は代替原料として米粉の増産支援に乗り出すこととなり、2009年4月に米穀の新用途への利用の促進に関する法律が成立した。 wikipediaより
今は農水省は米粉倶楽部というサイトも立ち上げ、米粉の魅力発信をPRしています。
米粉の料理の方法とかが主ですかね…
さてさて、米粉の料理と言うとパッと何を思い浮かべますか?
小麦粉に比べてモチモチ感があっていいと宣伝しまくっています。
私が学生だった時なので丁度10年前くらいだったと思いますが
(大学生だったのが10年前というのが個人的に恐ろしい…)
今以上に米粉ブームだったと記憶しています。
日本の食を変えるかもしれない食材として脚光を浴びていた米粉に興味があったので、とある大学であった米粉のセミナーに参加していました。
その質疑応答の時
パン屋を営んでいる女性がこう物申しました。
「パンを焼くときに米粉は今までの小麦粉でパンを作る時のやり方とぜんぜん違う。」
「米粉の消費ばかりを考えるのじゃなくて、もっと作り手の立場を考えてから普及をして欲しい」
ちょっと半ギレに近い感じで、セミナーの講師に詰め寄っていたのを今でも覚えています。
こんなことが色々とあります。
結局、農業政策って「農業を守るんだ」って事を盾にいろんな事を小売とか流通に押し付けているようにしか現状見えていない。
あまり政府や農水省を悪く言うつもりではないのだが…
日本の農業政策ってこんな感じなんだろう。
結局、農業政策が考えていることってエゴとかオナニーなんじゃないだろうか?
今や効率化や分業が当たり前で、生産・流通・消費が完全に顔が見えない状態が続いている。
顔が見えないから、生産側も消費者側も不安を抱くし疑心暗鬼になってしまう。
そこで生産と消費の垣根をなるべく取り払いたいと考えている。
それがわたしの考える「食べること全部に携わりたい」という言葉の核心だ。
先日、私の知人のシェフがFacebookでこんなことを言っていた。
「今はシェフが畑に行くのは当たり前」
生産者側と消費者側が歩み寄れば、本当に面白いことが起こる。
農家は「この人が料理をしてくれるから、適当なものは絶対に出せない」と
シェフや消費者は「これだけ美味しい野菜を作ってくれたのだから、無駄には出来ない」と思うはず
だから農家はレストランや市場に足繁く通い、シェフは畑で農作業をするのである。
そして協力隊でいるネパール
生産と消費の垣根を取り払う事は日本でも難しいけど、ネパールはそれを遥かに超える程難しい。
農家が多すぎて、農業を守るという概念が存在しないから…
せっかく野菜栽培隊員でいるのだから、野菜を生産して収入を上げることだけが活動じゃない。
ネパールで食べられている野菜、食や流通
そういったトータルで食を支えていきたい。
そして、任地の農家と私が皿の上に自分が作った野菜が乗っている時のことを少しだけでも考えられるようになったのなら、よりいいと思っている。
それが生産と消費の歩み寄りなのだから。