「最良であるか」とあるお菓子屋の考え方が凄い!
ナマステ!
ゆくゆくは会社を作るのであれば、優れた経営者の考え方をヒントにするのも大事なことです。
今日からは時々新シリーズとして、全国の優れた経営者やベンチャー、社会起業家を取り上げます。
突然ですが、皆さんはお土産物好きですか?
実は私はあまりお土産物が好きじゃないんです。
会社とか家族とか持っていく相手がいるのであれば別ですが、自分にはお土産物は買わないことにしています。
なぜなら、私はローカル感のないお土産物が好きじゃないから。
地元である東北で言えば、岩手の「かもめの玉子」や仙台の「萩の月」が代表するお菓子ですが、実は東京でも買うことが出来ます。
特に好きじゃないのは「○○へ行ってきました!」シリーズ。私はローカル感のないものを買う人の気持ちが分かりません。
お菓子を作る企業が、規模拡大を目指して色んな所に商談に行き、売上を伸ばそうとするのはごく自然の事
でも私は地元の銘菓は地元だけものだからこそ、価値があると思っています。
簡単に東京とかで買えてしまったら面白くない。
今日、取り上げるのは地元では有名なお菓子屋にも関わらず、県内でも買える所が少ないという菓子屋です。
原点は「最良であるか」
福島県会津にお店を構える「お菓子の蔵 太郎庵」は、会津地方に12店を展開している和菓子・洋菓子店です。
この会社の面白いところは2点あります。
①県内でも購入できる所が少ない。
福島には「浜通り」「中通り」「会津」と3地方に分かれており、本州では2番めに広い県であります。
「太郎庵」は会津地方にのみお店を持っており、おなじ県内でも郡山やいわきでは買うことが出来ないお菓子屋であります。
後述しますが、ここのお菓子は話題性のあるお菓子が多く、買いたくても会津まで行かないと買えないというのがある種の希少価値があります。
つまり、希少価値の切り売りをしないという姿勢がここからも垣間見れます。
この事について、社長である「目黒督朗」さんはこう語っています。
20歳の時に、相馬愛蔵著の「一商人として」という本に出会った事が原点です。本の中では「一人一店主義」という考え方で、間口を広くして奥行の浅い生き方よりも、間口を狭くして奥行を深くする事の方が真に職業に忠実である、と教えて頂きました。
そして、将来お店をもったら、いたずらに形だけの大小にとらわれずに、その質を忘れない、一人一店主義でありたいと思いました。
今、12店舗になっていますが、今の範囲ならば、店主としての姿勢を保てるのではと考えています。
いかに大きくなるのかではなく、最良であるかが判断の全ての基準です。
闇雲に店を広げるのではなく、質を忘れない。
そのことが、ブランド(店)の希少価値を高めることにつながっているのかもしれません。
②名前が色々とぶっとんでいる。
ここのお菓子の名前がとにかくぶっ飛んでいます。
「きてくだされ」
野口英世の母が息子に当てた手紙の一文から名付けられたお菓子
「ipie」
今は販売していないのですが、こんなぶっとんだお菓子も出していました。
福島の老舗「太郎庵」から、世界に笑顔をもたらす全く新しいお菓子「iPie 6 Plus」登場 - ねとらぼ
他にも面白い名前のお菓子がたくさんあります。
この会社の様に、話題性のある一風変わった商品を出しながらも、どこでも買える様にはしない。
お客様を引きつける上で大事なのは希少価値と、ローカル感
会社を経営するにあたり一番大事なことかもしれません。