元プロが教える!除草剤の使い方(基礎編)
ナマステ!
先日、田植え祭りに参加してネパールらしい楽しさがあった事を、記事にさせてもらいました。
ネパールでは田植え真っ盛りですが、日本では田植えが終わっている所がほとんどで、一段落している頃だと思います。
しかし、日本で米を栽培する上で一番厄介なのが、「雑草」であります。
私は青年海外協力隊員になるまでの7年間、農薬や肥料の営業をしていました。
仕事をしている時に受けた
「除草剤が効かない」などのクレーム
「どうやれば雑草を枯らすことができるのか?」という問い合わせ
を通じて感じた除草剤の使い方を、基礎からご紹介します。
除草剤のタイプ
除草剤は主に2つのタイプがあります。ここを間違えると、「育てている野菜が枯れた」などの問題になりかねないので、注意してください!
<非選択性除草剤>
一言でいうと「除草剤をかけたものは、何でも枯らす」タイプの除草剤です。
作物だろうが、雑草だろうがかけたら枯れます。一番強力ですが、使い方に気をつけないと取り返しのつかないことになるので注意が必要です。
雑草の中で一番枯らすのが難しいと言われているスギナもこのとおりです。
代表的な商品例
庭の除草など一般家庭でも「非選択性除草剤」を使う機会が多いので、知名度が高くホームセンターなどでも容易に入手可能な除草剤が多いです。
<選択性除草剤>
作物を枯らさずに、雑草だけを枯らす事ができる除草剤です。
これは作物と雑草の成長点の違いや、雑草の種類の違い等によって、作物を枯らさずに、雑草だけを枯らすことが出来ます。(コレについては後述します)
代表的な商品例
日本で一番古い除草剤。
畑の雑草に特化した除草剤
水稲の広葉用に特化した除草剤
どちらかというと、農家向けであまり知名度が高くない商品が多いです。
では、選択性除草剤が「どうやって作物を枯らさずに、雑草を枯らすのか」を次に解説したいと思います。
どうやって作物を枯らさずに、雑草だけ枯らすの?
作物を枯らさずに雑草だけを枯らす「選択性除草剤」は2つのタイプに分かれます
①土の表面に除草剤の層を作るタイプ
定植後や播種後に除草剤を散布して除草剤の層を作り
その後、雑草が発芽して除草剤の層に触れたのちに、枯らすことができます
一つだけ欠点がありまして、「簡単に除草剤の層が壊れる」というものです。
田んぼなら、水が無くなることで、紫外線で除草剤の層が壊れます。
同じく畑も除草剤を撒いて層を作った後に立ち入ると、足跡で層が壊れます。
最初の段階で雑草を抑えることが出来るので、その後の管理がぐっと楽になります。
水稲用の除草剤のほとんどはこのタイプです。
水稲雑草シリーズ第6話 上手な水管理と難防除雑草の防除に向けて(病害虫・雑草防除ガイド【水稲雑草シリーズ】) | シンジェンタジャパン
②イネ科と広葉の違いで枯らすタイプ
雑草には大きく分けると「イネ科」「広葉」になります。
これを見分けることで、除草剤の選び方がぐんと違ってきます。
見分け方としては
「イネ科」 葉が細長い
「広葉」 葉が丸っこい
という感じで見分けられると思います。
この違いで枯らす事が可能です。
なぜかと言いますと、イネ科と広葉では成長点が違うためです。
イネ科の成長点は地際にあるのに対して、広葉は葉の先端部にあります。
この成長点の違いを活かして、雑草のみを枯らすことが出来るのです。
効果的な除草剤の使い方
除草剤を使う時に注意することが何点かあります。
まずは天候です。
一番最適な時間は朝の8-10時ごろと考えます。
特に夏場の日中は散布をしても、蒸発をしてしまいますのであまり効果がありません。
一番適しているのが早朝なのですが、朝露が葉の上にあり、効果が薄いです。
そのため、朝露が乾き始める朝の8時~10時ごろが最適かと思います。
もちろん雨の日の散布はダメです。
可能なら天気予報で向こう2日位は晴れであることを確認してから散布するのが良いでしょう。
せっかくの除草剤も使いどきを間違えると、ただのお金の無駄になってしまいます。
なのでそうならないよう、使う時間や時期をよく見極めて、効果的な雑草退治を行なってくださいね!