ワークショップをやっての決意。そして、次回へ…
ナマステ!
以前、震災後わずか1ヶ月で行なったワークショップの裏話を書きました。
今回はその続きを書いていきます。
※引用は当時のmixiの日記から転載です。
やたらにハイテンション
震災後一ヶ月という期間でやったワークショップは、大成功に終わりました。
なぜなら震災後一ヶ月の時点で、農業の今後について語るワークショップなど皆無で、東京の人もすごい関心を持ってくれたからです。
東京に住む私の友達とか沢山来てくれましたし、当日はすごく忙しかったんですが、すごく楽しかったのを覚えています…
いろんなアイデアが次々と出てきて、やたらハイテンションになっていたのが、当時の日記からもよくわかります。
さてさて、今後の「だべっ会」の展望ですが、
・定期的な開催(毎月か2ヶ月に一回はやりたい)
・場所も変える(東京・福島・仙台などなど)
・主催者も変える(郡山だったり東京だったり、はたまた学生だったり)
・名前も変える(良い名称募集中♪)
色々と出来る事は多そうですが、一度やっているので料理さえ何とかなれば出来そうな気がします。
今回のだべっ会の後、色々とお声がけを頂き、色んな事を頂く様になりました。
・NPOバンク構想(ファンドを作り、原発の安全宣言後に野菜を送る証券を売り、その資金を農家へ融資し、再興後に農家から消費者へ野菜を送る)
・福島県産版ぱれっと(らでぃっしゅぼーや看板商品の旬の野菜詰め合わせのこと。これの福島版を作って販売!)
・福島の農村交流イベント
などなど色々と出来そうな事が増えて、忙しくなりそうです。
自分を復活させてくれた福島・郡山のために出来る事をやる!
そう思います。19.Apr.2011
今思うと、震災後1ヶ月の時点で出ていたアイデアは、福島県内ですべて実現しています。
もし、この時に会社を辞めて農業復興にコミットしていれば、少なくても食いっぱぐれる事はなかったし、私自身が「復興のキーパーソン」みたいな形で取り上げられる事もあったかもしれません。
結果的には、この時に会社員をやめる決断はしませんでした。
当時はフリーランスとかで食っていく自信が全く無くて、まだ会社員を辞める事が怖かったのかもしれません。
2回目のだべっ会(ワークショップ)に向けて…
4月にワークショップ行い、なるべく早めに2回目のワークショップをやりたかったのですが、本業が忙しくなってきて準備を進められませんでした。
そんな中で言われた一言が、意外と重かった。
だべっ会をやってから、丁度1ヶ月。
そろそろ二回目を考えていきたいところ。
しかし、プログラムやゲストを含め完全に白紙状態。
この1週間くらいで言われた事は
「意外と2回目に踏み出すのが、最初よりかは躊躇する」ということ。
ベース(最初)を一度やってしまうと、それを上回ろうとして悩みすぎてしまう。20.May.2011
まさしく、最初を上回ろうとして悩みすぎていました…
そして本業が落ち着いてきた7月に、2回目のワークショップをやろうと決め、ゲストやプログラムを決めていきます。
そして震災後から、農業復興に向けて突っ走ってきた私自身がどんどん壊れていきます…
先週から本気でモチベが上がらない。
このままだと俺自身が壊れてしまいそうだ。
本当にきつい。
この状況を何とか出来ないものか。18.Jul.2011
思えば2回目のワークショップは、1回目に比べて人に頼らなかったのを覚えています。
今でもあるのですが「全部自分で決めて、全部自分で全部やる」という悪い癖が出てしまいました。
人に頼ろうにも頼れない。
それは他人を完全に信じられていないから、自分の意のままに動いてくれないと困るという自己中な考えが、自分の中にあるからなのでしょう。
そんな中で迎えた2回目のワークショップで事件が起こるのです…
日本でも見直して欲しい!種を取るという文化。
なますて!
今日は、野菜の種のお話をしたいと思います。
突然ですが、皆さんは「在来作物」ってご存知ですか?
在来作物とは?
在来作物(ざいらいさくもつ)とは「ある地域で、世代を越えて、栽培者によって種苗の保存が続けられ、特定の用途に供されてきた作物」です。親から子へ、子から孫へ、代々にわたり採種(タネをとること)の方法、さらにはイモの保存方法といった種苗の保存のノウハウ、焼き畑のような昔ながらの農法とともに、地域や農家に受け継がれてきた作物です。
在来作物とは固定種の一種で、品種改良が行われていない種から作られた作物の事で、主に地域を限定して作られているものが多いです。
「固定種とは何か?」という方は下のページを見てください。分かりやすくまとめてあります。
山形県は全国で屈指の在来作物王国
一般の種屋さんやホームセンターなどでは手に入らず代々種取りをしてるのが、在来作物や固定種でありますが、私の地元である山形県は、日本で屈指の在来作物(野菜)王国でもあります。
そんな山形県の在来作物をまとめたドキュメンタリー映画まであるんですよ!
この映画は山形県庄内地方の在来作物をテーマに、種を守り抜く生産者と、独自の調理法で在来作物に脚光をあてた「アル・ケッチャーノ 奥田シェフ」にフォーカスをあてた作品です。
山形の庄内地方は北前船の寄港地だったこともあり、古くからの伝統があります。
その上で、伝統を守ろうという人々が本当に多いという事が、ここからもよくわかります。
日本で焼き畑農業!?
焼き畑農業というと、それこそアフリカとか東南アジアなど協力隊が行くような国々で行われているイメージがあります。
ところが山形県庄内地方の一部地域では、急斜面にある間伐した林に火をつけ、カブの種を蒔く習慣が残っています。
一度火をつけることで、下草が良質な肥料になり施肥する必要がないのだそうです。
アグロフォレストリーという、途上国でバナナやヤシの木の下で野菜や作物を栽培するという農業技術があるのですが、このやり方はまさしくそれです。
一部引用
ネパールでの種取りって!?
現在、協力隊で活動しているネパールでも種取りは普通に行われています。
上の写真は野菜を売っている店で、腐りなどで売り物にならないトマトを種取り用として、農家にあげている場面です。
他にも私が見ただけでも、トマト・油菜・大豆・ジャガイモなどなど種取りをしているのを確認しています。
このトマトはF1の品種で、ここから種を取って蒔くとF2となり、親の形質を引き継がない可能性が高いのですが、そんなことはネパール人にはお構いないのかもしれません。
大量生産もいいけど…
日本の場合、同じ形質の種を同じ圃場に蒔くことで、安定的な生産を可能にしています。
毎日同じ野菜がスーパーに並ぶために、こうした生産方法も必要なのです。
でも大量生産でなくても、病害虫に弱くても、美味しいからという理由で作り続ける在来作物はそんな大量生産という時代に何かを訴えているように思います。
「甘いトマトもいいけど、昔ながらの酸っぱいトマトもいいよね」というご年配の方の声もたまに聞きます。
そうしたニッチなニーズに応えつづける在来作物は、これからも火を絶やさずに残していってほしいと思います。
これがないと始まらない!農業系協力隊員の七つ道具
ナマステ!
農業系の協力隊員として日々活動をしているのですが、フィールドに行く時に欠かせないものが色々とあります。
今日は私が持ち歩く七つ道具を紹介したいと思います。
フィールドに行くときの格好
フィールドに行くときの格好は欠かせないポイントです。
私がフィールドに行くときは、なるべく写真のような格好で行くようにしています。
年間にすると150日近くは着ているでしょうか(誤解のないように言いますが、きちんと洗濯していますよ!)
なぜ同じ農作業着で行くのか?それは2つの理由があるからです。
①農家から顔を覚えてもらいやすい!
みなさんは人と最初に会った時に、着ている服で相手を覚えたりすることがありませんか?
それと同じで、なるべく同じ格好で人に会い続けると、私への認識が早いのではないかと思って同じ服をなるべく着ています。
そのお蔭か、私の名前は本当に農家さん覚えてくれています。
逆に私が農家の名前を覚えられないのが、痛いところですね…
②農家への敬意を表すため
ネパールの農家(特に女性)は本当によく働きます。
家畜へ与える雑草集め、水くみ、簡単な農作業全般(植え付け・肥料運び)などなど…
いくら協力隊で人に教えるという立場で来ていたとしても、一生懸命働いている農家への敬意は忘れちゃいけません。
私の作業服は一応襟付きなので、白Yシャツほどではないものの、多少は敬意は表していると思っています。
私の七つ道具について
もちろん、フィールドに行く時に持っていく道具も色々とあります。
・手袋
2種類あります。普通の手袋は農作業する時に、もう一つのゴム手袋は農薬に関する作業をする時に使います
・メジャー
主に植え付けする時の株間を測ったりしています。
・カッター、剪定バサミ
ナスやトマトの剪定をする時があるので、その時に使います。
・農薬
農家に対して「害虫の抵抗性について」の見本として見せたり、トレーニングの時に使ったりします。
ちなみに写真の下にある3種類の農薬は、名前も成分も違いますが、同じグループの殺虫剤です。
・クリシーダイアリー
私の配属先で作っている農業に関する本
種苗、肥料、防除などネパールの農業に関して一通り掲載されている。
農家に技術的な事を聞かれ、わからない時に、農家に渡して読んでもらうこともある。
・デジカメ
フィールドに行く時に他のものは忘れられても、コレだけは忘れられないです。
活動写真、病害虫の写真などなど JICAボランティアの活動には写真がとにかく必要なので常に持ち歩いています。
デジカメを家に忘れた日には、一日のテンションがダダ下がりです。
必要があれば持っていく物
・PH計とEC計
土壌中の養分や生育の向き不向きを測定するのは非常に大事なことです。
PHは土壌の酸性・アルカリ性を、ECは土壌中にある肥料(塩類)の濃度を測ります。
どっちも簡易的に測ることが出来るので、農家に頼まれたときには重宝しています。
・温度計
ハウス内の温度や肥料を作る時の温度を測るのに使います。
意外と途上国でも道具は手に入る。
一年前に協力隊としてネパールに来た時に、農業関係の道具を何持っていけばいいのかよく分からず、色々と考えて用意しました。
上で取り上げた中で、手袋とハサミ、PH・EC計、温度計は日本から持ってきたのですが、PH・EC計以外のものはネパールでも手に入ることが分かり、ショックでした。
(PH・ECも薬品を使えばネパールでも調べられます。)
派遣される国にもよりますが、活動に必要な道具などは意外と手に入ることがあります。物についてあれこれ悩むのはそれほど必要ないでしょう。
JICAボランティアと言うものは意外と、身一つで行って何とかなるのかもしれません。
これがないと始まらない!農業系協力隊員の七つ道具
ナマステ!
農業系の協力隊員として日々活動をしているのですが、フィールドに行く時に欠かせないものが色々とあります。
今日は私が持ち歩く七つ道具を紹介したいと思います。
フィールドに行くときの格好
フィールドに行くときの格好は欠かせないポイントです。
私がフィールドに行くときは、なるべく写真のような格好で行くようにしています。
年間にすると150日近くは着ているでしょうか(誤解のないように言いますが、きちんと洗濯していますよ!)
なぜ同じ農作業着で行くのか?それは2つの理由があるからです。
①農家から顔を覚えてもらいやすい!
みなさんは人と最初に会った時に、着ている服で相手を覚えたりすることがありませんか?
それと同じで、なるべく同じ格好で人に会い続けると、私への認識が早いのではないかと思って同じ服をなるべく着ています。
そのお蔭か、私の名前は本当に農家さん覚えてくれています。
逆に私が農家の名前を覚えられないのが、痛いところですね…
②農家への敬意を表すため
ネパールの農家(特に女性)は本当によく働きます。
家畜へ与える雑草集め、水くみ、簡単な農作業全般(植え付け・肥料運び)などなど…
いくら協力隊で人に教えるという立場で来ていたとしても、一生懸命働いている農家への敬意は忘れちゃいけません。
私の作業服は一応襟付きなので、白Yシャツほどではないものの、多少は敬意は表していると思っています。
私の七つ道具について
もちろん、フィールドに行く時に持っていく道具も色々とあります。
・手袋
2種類あります。普通の手袋は農作業する時に、もう一つのゴム手袋は農薬に関する作業をする時に使います
・メジャー
主に植え付けする時の株間を測ったりしています。
・カッター、剪定バサミ
ナスやトマトの剪定をする時があるので、その時に使います。
・農薬
農家に対して「害虫の抵抗性について」の見本として見せたり、トレーニングの時に使ったりします。
ちなみに写真の下にある3種類の農薬は、名前も成分も違いますが、同じグループの殺虫剤です。
・クリシーダイアリー
私の配属先で作っている農業に関する本
種苗、肥料、防除などネパールの農業に関して一通り掲載されている。
農家に技術的な事を聞かれ、わからない時に、農家に渡して読んでもらうこともある。
・デジカメ
フィールドに行く時に他のものは忘れられても、コレだけは忘れられないです。
活動写真、病害虫の写真などなど JICAボランティアの活動には写真がとにかく必要なので常に持ち歩いています。
デジカメを家に忘れた日には、一日のテンションがダダ下がりです。
必要があれば持っていく物
・PH計とEC計
土壌中の養分や生育の向き不向きを測定するのは非常に大事なことです。
PHは土壌の酸性・アルカリ性を、ECは土壌中にある肥料(塩類)の濃度を測ります。
どっちも簡易的に測ることが出来るので、農家に頼まれたときには重宝しています。
・温度計
ハウス内の温度や肥料を作る時の温度を測るのに使います。
意外と途上国でも道具は手に入る。
一年前に協力隊としてネパールに来た時に、農業関係の道具を何持っていけばいいのかよく分からず、色々と考えて用意しました。
上で取り上げた中で、手袋とハサミ、PH・EC計、温度計は日本から持ってきたのですが、PH・EC計以外のものはネパールでも手に入ることが分かり、ショックでした。
(PH・ECも薬品を使えばネパールでも調べられます。)
派遣される国にもよりますが、活動に必要な道具などは意外と手に入ることがあります。物についてあれこれ悩むのはそれほど必要ないでしょう。
JICAボランティアと言うものは意外と、身一つで行って何とかなるのかもしれません。
競争力強化して、利益残らなかったら意味なくない!?
ナマステ!
最近になって、日本の農業競争力を高める目的で「農業競争力強化法」が成立しました。
この法律の成立前後に、「種苗法」廃止のニュースが駆け巡ったので、あまり話題にならなかっただと思います。
この記事とか「別名モンサント法」といって、もう外資が入り込む前提で書いちゃっていますね。恐ろしや。
種苗法廃止も大きなニュースですが、この法律も今後の農業を左右する大きいニュースなので、成立後にどういうことが起こるのか、元農業資材販売をしていた私なりに考えを述べたいと思います。
※種苗法廃止とは・・・これまで国、地方自治体で保有している米・麦・大豆等の品種を、民間に譲渡することにより競争力を強化=価格の低下をさせようという狙いで廃止させた。
主な理由としては、「民間の開発意欲を削いでいる」との指摘があったとのことだが、外資の流入や、公的な交付金が払われなくなり、種子の維持が難しくなるのでは無いかとの意見も多い。
農業競争力強化法のなかみ
この法案を一言でいうと「JA全農を骨抜きにする法案」だと思います。
農業競争力強化法が成立 流通合理化、資材値下げ|佐賀新聞LiVE
要は価格について、何も考えずに農業資材(種、農薬、肥料等)を購入していた農家や、農薬・肥料の全国流通の過半数近くを握っている筆頭販売業者のJA全農に対して、資材のコストを下げなさいという法案なのです。
ただ、全農以外の業者もかなり影響を受けそうです。
今後の影響① 本当に競争が激化、中小の農業資材業者は残っていけない!
上記の、農業競争力強化法のポイント中に記載している
農薬や肥料の銘柄集中の推進
これが大きなポイントになりそうです。
今まで農協とか販売店は、販売力やメーカーとの付き合いなどを鑑みて、ある程度の銘柄を絞り込んでラインナップを決めている場合が多いです。
それを更に絞れというのは、ちょっと酷な話ですし、絞ったら絞ったでさらなる競争を招き、利益が上がらない原因を作ります。
全農は資金力も販売力もありますが、そうではない卸売業者や小売業者は確実に倒産します。
農水省は、JA全農にメスを入れたいのか、卸売や小売を潰したいのか
これでは意図が全く見えません。
なお、農水省では農薬費低減の取り組みの例を出していますが、これも資金に余裕がある農協だからこそ出来るわけであって、業者に同じ事は中々難しいです。
農水省が農家を農協に惹きつけようとしているようにしか、私には思えません。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/jjkaigou/dai33/siryou2.pdf
今後の影響② いい農業資材が手に入らないかも?
農業資材業界もまた、大企業と中小企業の差が大きい業界です。
あまり下請けをしている例こそ聞きませんが、どの企業も自分のブランドを持って、ニッチな所で勝負を仕掛けている会社がたくさんあります。
例えば、井上石灰という石灰の販売をしている会社があるのですが、販売しているのは石灰のみという一点集中型の企業です。
ですが、石灰という自然農薬分野では唯一の企業であるし、パイオニアだからこそJICAのプロジェクトに採択されるなど、ニッチな分野では非常に強い会社です。
もし農薬業界再編なんてことになれば、井上石灰の様にプライドをもって一点集中で作られている商品が身売りなどで、どんどん消えていくことになるでしょう。
まとめ 耐久レースか、はたまた利益を求めて談合か…
国はJA全農だけではない、商系業者との競争力を高めるために、価格を下げる圧力をかけはじめてきました。
この競争の先にあるのは、利益を削る潰し合いか、談合の道なのでしょうか。
この法律を見る限り、農家にとってメリットだらけとはいえなさそうです。
一見、資材代が安くなるというメリットを享受できますが、その反面メーカーの廃業による必要な資材の製造中止などで、思わぬデメリットも受けるかもしれません。
農業資材で一番価格の引き下げが困難なのは「ダンボール」です。
これまでも繰り返し談合を行い、その度に独禁法違反になっています。
利益がでないと談合をするなんてことが、農業資材業界全体で出ないか心配です。
農水省はもう少し農業資材流通を知った上で、法律を作ってもらいたかったです。
「業者は農水省が考えている程、利益とってないよ~」
と言って、終わりにしたいと思います。では
震災後一ヶ月で、なぜ風評被害のワークショップをやったのか?
ナマステ!
先日、「起業をするキッカケをつくった場所」として福島県郡山にあるNPOコースターを取り上げました。
この中で2011年の東日本大震災後の1ヶ月にあたる4月に、東京でワークショップをやっています。
今回はこのワークショップをやった時の裏話を書きたいと思います。
が…当時の記憶があいまいなのと、資料がほぼ手元になく、おぼろげな記憶と当時日記をつけていたmixiからの転載になります。
もし、事実と違うことを記載していた際は遠慮なく言ってください。
震災後5日後には、福島の農業がどうなるか考え始めていた。
当時の私の日記にはこう書いてあります。
そして、大きいのは風評被害です。
多分、津波の被害は設備を直せば(と簡単に言っていますが、本当に大変です。)なんとかなります。
しかし、風評被害は「買ってもらえない」という生産する側からしても、どうしようも無い問題です。
たぶんメディアは「福島第一原発」の名前で取り上げているので、「福島県産」の農作物にターゲットが絞られます。
岩手の知り合いと電話をしていて話になったのですが「岩手のスーパーは品薄だけど、福島産のリンゴだけあって他のリンゴはない」と言われました。
米・ブロッコリー・ネギ・キュウリ・桃・梨など福島県産というだけで容赦なく世間の冷たい目が襲いかかると思うとゾッとします。3/17.2011 私のmixi日記(一部抜粋)
既に東北&北関東に変わる代替野菜産地作りが西日本で始まっているという話です。
こうなると最悪のパターンが頭をよぎります。
→農家が県外流出
→農家が戻ってきたときには他の産地で農作物が作れる様になる。
→作っても市場原理で価格が下落
(または農家のモチベが下がって廃業)
こうなるとどうしようもありません。3/26.2011 私のmixi日記(一部抜粋)
当時から風評被害に対する危機感をものすごく抱いていたのと、働いていた農業資材の会社での仕事は苦戦続きだったのが、ここからも読み取れます。
そこで、当時顔を出していた郡山のコミュニティスペース「ぴーなっつ」で会ったWさん(東京在住)に風評被害に対する心配などを話した際に
「なら、再来週にでもワークショップをやろう!場所は俺が探すから…」と言ってくれて開催が決まりました。
この頃が4月頭か3月末だったように思います。
怒涛の忙しさ
ここからの2週間は、イベントの内容決めやフライヤー作り、広報活動、食材の手配などほぼ寝ないで過ごしたように思います。
最近、平日にも関わらずイベントの広報や資料作成&skype Mtgなどで寝不足気味です。
さすがに繁忙期の本業との二足のわらじはキツい。
更に朝から電話でのラジオ出演という慣れない事をしたお陰で、更に疲労感が増した様な4/12.2011 私のmixi日記(一部抜粋)
ラジオ出演までやったんですね…
でも私は本業があったので、朝と夜しか時間が取れずにぴーなっつ界隈の皆さんに食材の下ごしらえを頼んだり、郡山から100Km近い南相馬まで朝5時からトマトを取りに行ってもらったりと、本当に動いてくださったと思います。
「だべっ会」という会の名前も時間がなくて、とりあえずつけた名前でした。
それくらい慌ただしかったけど、充実していた。
当日、プレゼンターをやってくれたSくん
当日も朝5時起きで東京に乗り込んだのですが、よく覚えていません。
それくらい一杯一杯でしたが、私の友人を通じて多くの方に来てもらい、本当に嬉しかったのを覚えています。
沢山の方にサポートしてもらいました。
そして終わって、帰る頃には泣いていました。
皮肉にも震災で気付かされた事
なぜ泣いたのかというと、それまでの私は「農業バカで、一直線にしか考えられなくて、自信がなくて、人の気持ち考えない人」だと思って殻にこもっていました。
でも、ワークショップを人生で初めてやって、こんなにも沢山人が来てくれて、自分の周りの縁に凄い恵まれていることに、皮肉にも震災で気付かされたんです。
そしてこう思いました。
「いままで自分はダメなヤツで自信がないと思っていたけど、全然そんなことないんだ」と
ところが、これから数ヶ月後 震災ならではのトラブルで人間不信に陥って、再び自分の殻に閉じこもってしまいます。
その話はまた次回で!
「最良であるか」とあるお菓子屋の考え方が凄い!
ナマステ!
ゆくゆくは会社を作るのであれば、優れた経営者の考え方をヒントにするのも大事なことです。
今日からは時々新シリーズとして、全国の優れた経営者やベンチャー、社会起業家を取り上げます。
突然ですが、皆さんはお土産物好きですか?
実は私はあまりお土産物が好きじゃないんです。
会社とか家族とか持っていく相手がいるのであれば別ですが、自分にはお土産物は買わないことにしています。
なぜなら、私はローカル感のないお土産物が好きじゃないから。
地元である東北で言えば、岩手の「かもめの玉子」や仙台の「萩の月」が代表するお菓子ですが、実は東京でも買うことが出来ます。
特に好きじゃないのは「○○へ行ってきました!」シリーズ。私はローカル感のないものを買う人の気持ちが分かりません。
お菓子を作る企業が、規模拡大を目指して色んな所に商談に行き、売上を伸ばそうとするのはごく自然の事
でも私は地元の銘菓は地元だけものだからこそ、価値があると思っています。
簡単に東京とかで買えてしまったら面白くない。
今日、取り上げるのは地元では有名なお菓子屋にも関わらず、県内でも買える所が少ないという菓子屋です。
原点は「最良であるか」
福島県会津にお店を構える「お菓子の蔵 太郎庵」は、会津地方に12店を展開している和菓子・洋菓子店です。
この会社の面白いところは2点あります。
①県内でも購入できる所が少ない。
福島には「浜通り」「中通り」「会津」と3地方に分かれており、本州では2番めに広い県であります。
「太郎庵」は会津地方にのみお店を持っており、おなじ県内でも郡山やいわきでは買うことが出来ないお菓子屋であります。
後述しますが、ここのお菓子は話題性のあるお菓子が多く、買いたくても会津まで行かないと買えないというのがある種の希少価値があります。
つまり、希少価値の切り売りをしないという姿勢がここからも垣間見れます。
この事について、社長である「目黒督朗」さんはこう語っています。
20歳の時に、相馬愛蔵著の「一商人として」という本に出会った事が原点です。本の中では「一人一店主義」という考え方で、間口を広くして奥行の浅い生き方よりも、間口を狭くして奥行を深くする事の方が真に職業に忠実である、と教えて頂きました。
そして、将来お店をもったら、いたずらに形だけの大小にとらわれずに、その質を忘れない、一人一店主義でありたいと思いました。
今、12店舗になっていますが、今の範囲ならば、店主としての姿勢を保てるのではと考えています。
いかに大きくなるのかではなく、最良であるかが判断の全ての基準です。
闇雲に店を広げるのではなく、質を忘れない。
そのことが、ブランド(店)の希少価値を高めることにつながっているのかもしれません。
②名前が色々とぶっとんでいる。
ここのお菓子の名前がとにかくぶっ飛んでいます。
「きてくだされ」
野口英世の母が息子に当てた手紙の一文から名付けられたお菓子
「ipie」
今は販売していないのですが、こんなぶっとんだお菓子も出していました。
福島の老舗「太郎庵」から、世界に笑顔をもたらす全く新しいお菓子「iPie 6 Plus」登場 - ねとらぼ
他にも面白い名前のお菓子がたくさんあります。
この会社の様に、話題性のある一風変わった商品を出しながらも、どこでも買える様にはしない。
お客様を引きつける上で大事なのは希少価値と、ローカル感
会社を経営するにあたり一番大事なことかもしれません。